コンプライアンス・プログラム(CP)構築のアプローチ

2003.10.14, kit


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 個人的な審査の経験を基に、 JIS Q 15001 に基づいた社内の個人情報保護のマネジメントシステム(CP)の構築 にあたってのアプローチの仕方について説明していきます。

Phase1: スタート体制の整備
Phase2: プライバシーマーク制度の理解
Phase3: 社内状況の把握
Phase4: CP 基本設計
Phase5: CP 構築
Phase6: CP のシェイプアップ
Phase7: プライバシーマーク申請


Phase1: スタート体制の整備

 まず、保護責任者候補と監査責任者候補など、 実施体制 をある程度見越して、 複数人でスタートするのが望ましいでしょう。 また、あらかじめ部署毎の サブ保護管理者候補 など、 複数人での勉強会などを通じて、 社内の整備状況の把握と コミュニケーション と共に進めるのが望ましいでしょう。 というのも、一人で始めると、 困った場合の相談する相手や愚痴をこぼす相手がいないので、 挫折する確率が高くなるのではないかと思います。

 それよりも、全体のデザインとして、どういう管理体制にしたいとか、 全社共通の手順にするのか、部署毎に独立して行うのか、 ある程度ラフでも構わないので、 この段階で“グランドデザイン” をある程度決めておいた方がいいでしょう。

 既に プライバシーマーク を取得した同業他社や、 これから取得をしようとしている同業他社などがあれば、 情報交換などをしてもいいでしょう。 外部コンサルタントを使う場合 でも、同業他社との情報交換と同様に位置付け、 CP 構築後は自社で運営し、監査することを念頭に置くことが必要です。 コンサルと言えど、委託 になると思います。 コンプライアンス・プログラム(CP) 確立のためには、人に任せきりではなく、目的を明確にし “導入計画”を自らきちんと立てることが必要かと思います。


Phase2: プライバシーマーク制度の理解

 JIS Q 15001 に沿ったマネジメントシステムの確立だけや、 自己宣言の場合は必要ない話ですが、 CP 策定後、プライバシーマークを申請する場合には、 プライバシーマーク制度 について、ある程度の理解をしておく必要があるかと思います。
 プライバシーマーク制度では、 申請できる事業者として以下のような制限があるので確認をしておきましょう。  指定機関 によっては追加要件がある場合があるので、指定機関へ申請する場合は、 該当する指定機関の情報もあらかじめ調べておきましょう。 助言や相談などを行っている指定機関もあるようですので、 まず該当する 指定機関 に問い合わた方がいいかもしれません。


Phase3: 社内状況の把握

 以下の項目について状況確認をしましょう。
  1. 個人情報を扱う事業
  2. 取り扱う個人情報の数(何人分)
  3. 個人情報を扱う業務プロセス(業務フロー)
  4. 直接収集/間接収集の比率(保有個人データの割合)
  5. 委託先・提供先の数
  6. 既に保有している個人情報の必要/不必要、 同意済/未同意の分類

  7. 収集時に行うべき手順の有無と実状
  8. 情報主体からの要求に対する措置の有無と実状
  9. 社内の個人情報の保管・利用状況
  10. 社内の セキュリティ状況
  11. 情報システムや 入退管理 などに関する 規程類 の整備状況
  12. 個人情報保護に関する リスクの把握と対処
 状況把握のやり方は最初はヒアリングでもよいし、 「個人情報保護基基本規程サンプル」 の別表2のように、 個人情報 として扱うものの一覧表を作り、 担当を決めて“棚卸的に”洗い出すやり方でもよいでしょう。 リスク については、 下記資料の「リスク管理表」を使った方がいいかと思います。

 この時点で、各部門毎や事業・サービス毎に、 “個人情報保護個別方針”をそれぞれ作らせてもいいかもしれません。 さらに個人情報を扱うそれぞれの業務について、

  • 同意→収集→保管→利用→委託/提供/返却
  • 情報主体からの要求→開示/訂正/削除/拒否
など、既存の 業務フロー を個人情報が流れるプロセスの観点で整理すると、 行うべき作業がある程度見えてくると思われるので尚よいかと思われます。 スパイラルアップ 的に精度を上げていけばよいので、 最初は ラフでもよいでしょう。 など、最初は CP を作成する上での“基本設計書(青写真)” の材料となりうる情報を可能な限り洗い出しておきましょう。

 また、同意が取れていない個人情報 がある(残っている)場合には、 プライバシーマークの審査に通らない場合があるので、 同意を取る手順を計画し、CP を構築しながら、 CP に即して実践していく必要があるかと思います。


Phase4: CP 基本設計

 現状把握が出来た時点で、必要工数や人数などを見積もりましょう。

 最初に全社的な「個人情報保護基本方針」を作るのは難しいと思いますが、 ラフデザインとして「個人情報保護方針」原案を作成しておきましょう。 必要に応じて、部門毎や事業毎の「個人情報保護個別方針」を立ててもよいでしょう。

 この時点で、作業工程やスケジュールを固め、代表者の了承を得るとよいでしょう。

 理想と現実のギャップを埋める作業を以下の Step 5〜6 で行うことになります。 スケジュールを組む場合、CP 構築フェーズであっても、 「継続的改善」を意識し、 スパイラルアップ最低2、3回実践(練習)することを念頭に置いておきましょう。

 作業の進め方として、全体を一律に進めるのではなく、 一部の部署を 先発隊 として導入し、 ある程度実践ができてから全社的に反映させるなど、 CP 完成までの基本計画を立てましょう。

 また、取り組み段階から 社員情報 も JIS 準拠の枠組で行えば、 情報主体の立場を ロールプレイング できるので、 スタッフの意識高揚にも繋がって 教育的効果 も高いと思われます。 フィードバックを反映しつつ、事業の CP を作る上での参考になると思われます。


Phase5: CP 構築

 JIS Q 15001 に書かれてある 25 個の要求事項をすべて満たさなければなりません。 CP 作成にあたっては以下の資料を参考にするとよいでしょう。

 コンサルや CP の雛型を使用された場合、 そのままでは自社の状況に合ってない場合も多く、 実行可能な状態でないと思われます。 個人的な経験では、審査にならないケースが多かったので、 これらを利用された場合は、 自社の状況にフィットするように、特に念入りに“チェック”する必要があります。

 “チェック”といっても、CP をじっと眺めることではなく、 みんなで実践しながら、不具合点を見つけ出し、 修正していくスタイルがいいかと思います。 いわゆる“バグフィクス”になりますが、CP 自身だけでなく、 既存の 関連規程 などの修正もあるかと思います。 CP 構築時点の初期段階では、罰則規程と連動しない “ガイドライン”の形での実施でもいいかもしれません。

 教育、自己評価、アンケートなどのフィードバックを通じて 「Phase6:CP のシェイプアップ」 へつなげていきます。


Phase6: CP のシェイプアップ

 JIS Q 15001 はマネジメントシステムの要求事項であり、 スパイラルアップの継続的改善 の体制を求める記述でありますが、 プライバシーマークへの申請にあたっては、 体制規程 の整備だけではなく、 実効性やパフォーマンスも求めています。

 よって CP 作成後、試験運用を経て導入時監査を行い、不具合を明確にし、 バグフィックス 作業を行って行きます。 導入時監査にあたっては以下の資料を参考にするとよいでしょう。

 この「監査ガイドライン」は、 “導入時監査”を念頭において書かれてある(と思われる)ので、 監査項目自体も PDCA サイクルと共にスパイラルアップ していく必要があるでしょう。
※監査のチェックリストが「監査ガイドライン」のままの段階で 申請するのはやめておいた方がよいでしょう。

 個人情報保護方針 や同意を求める告知文など、 対外的に公開するものも見直しして、適宜修正しましょう。


Phase7: プライバシーマーク申請

 プライバシーマークを申請する場合には、 申請にあたって「Phase2: プライバシーマーク制度の理解」を再度確認する。  プライバシーマークを取得した場合は、事業者名が公表され、注目されることとなります。 プライバシーマークを取得するリスク も無視できないので、 申請書を各段階で「Phase6: CP のシェイプアップ」 を再々度行い、 欠格事項が起こらないことを確信した方がいいでしょう。

 確信できるまで、Phase3〜6 を繰り返した方がいいでしょう。 なお、プライバシーマークの審査では、コンサルや外部監査員など、 社外の人は同席できませんので、プライバシーマークを申請する場合には、 自立(自律) できるようになるまで繰り返す必要があるでしょう。


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Last modified: Wed Dec 17 17:45 JST 2003
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